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田中 晧*
PNC TJ1211 95-007, 117 Pages, 1995/02
地下水生成モデルの研究において必要な鉱物の溶解速度について研究を行った。成果概要を以下にまとめる。1.鉱物の溶解速度データの調査溶解速度データが整備されていない黄鉄鉱、緑泥石、緑簾石、菱鉄鉱の4種類の鉱物についてDIALOGによる文献調査を実施した。成果の概要を以下にまとめる。(1)黄鉄鉱Linらにより、酸素濃度による反応速度定数kが定義されている。1-(1-x)1/3=k[O2]1/2・t(x:反応したFeSのモル数、[O2]:溶存酸素酸素濃度、t:時間)また、その温度依存性についてk-=2.2109exp(-9140/T)を示している。pHによる影響についてはCiminelliらにより、溶解中性アルカリ性で黄鉄鉱の溶解速度はpHとほぼ線型に増加することが示されている。(2)緑泥石Swoboda-Colbergらにより、2.76.710-12mol/m2/s(pH34.5)の値が示されている。また、Rossらにより溶解反応のメカニズムは拡散律速であり、陽イオンの溶解量に化学量論的な関係があることが示されている。(3)緑簾石Roseにより、pH111において10-1410-13mol/cm2/sの値が示されている。(4)菱鉄鉱Greenbergらにより:脱酸素水中において9.9310-6mol/m2/s値が示されている。2.鉱物-水反応試験による反応速度データの取得(1)黄鉄鉱還元雰囲気及び大気平衡状態の蒸留水中における黄鉄鉱の溶解速度を測定した。Linらの式に従って、大気平衡の蒸留水中での溶解速度定数kを評価した結果、10-410-3(cm3・mol-1)1/2・h-1と評価された。(2)緑泥石蒸留水中での緑泥石の溶解速度を測定した。溶解は放物線溶出反応にあることが確認された。Rossらの式に従って、溶解速度定数kを評価した結果、10-1510-14の範囲であった。2=kt(:溶解した鉱物量と初期存在量の比、t:時間)
田中 晧*
PNC TJ1211 95-006, 72 Pages, 1995/02
地下水生成モデルの研究において必要な鉱物の溶解速度について研究を行った。成果概要を以下にまとめる。1.鉱物の溶解速度データの調査溶解速度データが整備されていない黄鉄鉱、緑泥石、緑簾石、菱鉄鉱の4種類の鉱物についてDIALOGによる文献調査を実施した。成果の概要を以下にまとめる。(1)黄鉄鉱Linらにより、酸素濃度による反応速度定数kが定義されている。1-(1-x)1/3=k[O2]1/2・t(x:反応したFeSのモル数、[O2]:溶存酸素酸素濃度、t:時間)また、その温度依存性についてk-=2.2109exp(-9140/T)を示している。pHによる影響についてはCiminelliらにより、溶解中性アルカリ性で黄鉄鉱の溶解速度はpHとほぼ線型に増加することが示されている。(2)緑泥石Swoboda-Colbergらにより、2.76.710-12mol/m2/s(pH34.5)の値が示されている。また、Rossらにより溶解反応のメカニズムは拡散律速であり、陽イオンの溶解量に化学量論的な関係があることが示されている。(3)緑簾石Roseにより、pH111において10-1410-13mol/cm2/sの値が示されている。(4)菱鉄鉱Greenbergらにより、脱酸素水中において9.9310-6mol/m2/s値が示されている。2.鉱物-水反応試験による反応速度データの取得(1)黄鉄鉱還元雰囲気及び大気平衡状態の蒸留水中における黄鉄鉱の溶解速度を測定した。Linらの式に従って、大気平衡の蒸留水中での溶解速度定数kを評価した結果、10-410-3(cm3・mol-1)1/2・h-1と評価された。(2)緑泥石蒸留水中での緑泥石の溶解速度を測定した。溶解は放物線溶出反応にあることが確認された。Rossらの式に従って、溶解速度定数kを評価した結果、10-1510-14の範囲であった。2=kt(:溶解した鉱物量と初期存在量の比、t:時間)